つれづれ通信 第78号 「母親の足を洗う」
2026年10月02日
人財経営塾で学んだ企業の中で、新入社員に「自分の母親の足を洗う」ことを課しているところがあります。
理由は、社会に出る前に、母親のありがたみを知り、感謝の気持ちでスタートするということです。
そこで、今回新卒で入社した谷村君と、山口君にもそのミッションを与えました。ただ、自分も体験する必要はあるなと思い、先日母親の足を洗ってきました。
私は実家を突然訪問、いきなり「足を洗わせて」といったら、母親の第一声は、「えーっ、何?面倒くさい!」。
大きなタライなどないので、お風呂場に移動してもらい、温かいお湯で満たした小さな洗面器に片足ずつ足を入れてもらい、ボディーソープで泡を立てて、丁寧に洗いました。
「照れくさい」「こんなこと自分が子供の頃以来、誰からもやってもらったこともない」など連発。今回の事例を他の会社さんが実際やっていて、親子が互いに感動した事例も話したんですが、「私はそれほど感動しない」など、あいかわらずの感性に、ふたりで大笑いの洗い場となりました。
思ったのは、母親の素足など、よく見たことなどないということ。
92歳になる母親は、そもそも足が悪く、洗面器に足を入れるのも一苦労。
か細く白い足には、多数の血管が浮き出てきていて、頼りなく、心もとなく、長い年月を精一杯がんばってきた人生が、そこにはありました。
場所を移して、足にクリームを塗ってあげ、靴下も履かせてあげたのですが、とてもぽかぽかしてきて、暖かいと喜んでくれました。
感動エピソードとは程遠い内容ですが、わかったことは、感謝の気持を伝えてこれなかった自分のこと。ここまで来るまでにどれほどの苦労を、母は乗り越えてきたのだろうかと、今更ながら心にしみました。
帰る時、「車の運転には気をつけるのよ」「体にはくれぐれも気をつけるのよ」とのいつもの言葉は、いくつになっても息子を気づかいう母親の温かな思いを感じ、いつも以上に感謝の気持ちで母のもとを後にしました。
谷村さん、山口さんも実施してくれました。
ありがとうございました。
社内掲載日:2026年4月6日

