DX推進の取り組み

公表日:2024年8月9日 (金)更新日:2026年6月24日 (水)

企業経営の方向性および情報処理技術の活用の方向性


1. 経営ビジョン

労働人口の減少に伴い、建設業界でも近年ICT導入などの取組が行われています。しかしながら現状においては、施工以外の業務に関しては業界全体としてまだまだDXは進んでいない現状があります。
より持続的な組織を目指すためには、直接的な現場業務以外の部分(補助業務・総務・社内コミュニケーション等)についても生産性を向上していく必要があると、私たちは考えています。

2. 経営戦略の方向性

当社では、施工以外の業務におけるDXの第一歩として、社内でのデータ管理・活用の強化を実施してまいります。社内のスムーズな情報共有・管理を実現することにより、データの紛失やバージョン差異などをなくし、コア業務に集中して生産性向上に取り組める組織を目指しています。

また、取引先・お客様に対しては、現在紙ベースでご提供している各種資料をデジタル化することにより、各種設計データや帳票等を必要な時に・必要な場所で提供できるようにいたします。これにより、取引先・お客様との間での生産性向上を実現していきます。

さらに、これらのデータ活用基盤の上に、生成AIをはじめとする新たなツールの活用を全社へと広げ、書類作成・情報共有・安全管理といった日常業務の生産性を一層高めていくことを目指します。あわせて、これらを安全に運用するためのセキュリティ対策と社員のリテラシー向上にも継続的に取り組んでまいります。

企業経営および情報処理技術の活用の具体的な方策


1. 具体的戦略

データ活用の第一歩として、当社ではGoogle Workspaceの導入・活用を推進してまいりました。現在では基本的な活用が社内に定着しつつあり、次の段階として、生成AIをはじめとするツールの全社的な活用と、それを安全に運用するためのセキュリティ・リテラシーの向上に取り組んでいます。

<導入におけるセキュリティ対策>

  • アカウント管理性の向上による、社内セキュリティの強固化
    Google Workspaceプラットフォームを活用し、アカウントの階層管理を実施するとともに、二段階認証の全社的な導入を進め、社内セキュリティレベルの向上を実現します。共有アカウントについても、認証アプリ(ワンタイムパスワード)を用いた二段階認証の運用整備を進めます。
  • メールセキュリティおよびフィッシング・なりすまし対策
    Gmailのセキュリティフィルターを活用してセキュリティレベルの底上げを行うとともに、近年増加しているなりすまし・フィッシング詐欺への対策として、不審なメール・リンクへの注意喚起や対応方針を全社で共有し、被害の未然防止に努めます。
  • データ紛失のリスク削減ならびに、最新データの保管場所の一元化・共有機能による生産性向上
    Workspace上で各種データを管理することで、ローカル環境におけるデータ紛失・世代差の発生を防止します。

<これまでの活用実績>

  • Gmail・Googleカレンダーによる情報共有の効率化
    メールやスケジュールをクラウド上で一元管理し、社内コミュニケーションの円滑化を図っています。Gmailのメール作成支援機能も活用し、定型的なメール対応にかかる時間を大幅に削減しています。
  • Googleドライブ・スプレッドシート等によるデータ管理
    各種データをクラウド上で管理・共有することにより、必要な社員が必要な時にデータを参照できる状態づくりを進めています。
  • 生成AI(Gemini)の活用
    書類作成(会社概要・各種申請資料等の作成補助)、アイデア出し(各部門の取り組みの検討や、安全管理における危険予知(KY)のアイデア抽出など)、画像生成(工事看板や注意喚起・安全啓発用のイラスト制作など)といった幅広い業務で生成AIを活用し、作業時間の短縮と業務品質の向上を実現しています。
  • NotebookLMによる社内ナレッジの活用
    就業規則や育児・介護に関する規程など、参照に手間のかかる社内文書を集約し、必要な情報を質問形式で素早く確認できる「社内ヘルプセンター」的な仕組みとして活用しています。現在は総務部門および規程整備担当を中心に運用しています。
  • Googleフォームによる社内アンケートの実施
    各部署・総務部門が主体となり、社内アンケートを実施し、社員の意見・要望の収集に活用しています。

<今後実施する戦略>

  • 生成AIの全社的な活用拡大
    現在は一部の社員を中心に活用している生成AIについて、活用範囲を全社へと広げ、より多くの業務での生産性向上を目指します。
  • 生成AIの安全な活用に向けた社内教育・リテラシー向上
    個人情報・機密情報の取り扱いに関するガイドラインの周知に加え、生成AIのセキュリティや活用方法に関する社内教育の機会を整備し、全社員が安心して活用できる環境を構築します。
  • 社内ナレッジベース・ヘルプセンターの全社展開
    NotebookLMを活用した社内ヘルプセンターを全社的に展開するとともに、Googleサイト等を用いて社内規程やマニュアル類をまとめた社内ナレッジベース(目次ページ)を整備し、業務ノウハウの標準化と検索性の向上を図ります。
  • Googleドライブにおけるデータ管理の標準化
    フォルダ構造や命名規則、保有資格情報等の管理方法を整備し、誰が見ても必要な情報にたどり着ける状態をつくることで、情報共有の効率と生産性の向上を目指します。
  • 定型業務の自動化
    Google Apps Script等を活用し、定型書類の自動作成など、繰り返し発生する事務作業の自動化・効率化に取り組みます。
  • 図面・設計・工程データのクラウド管理の強化
    図面データ・設計データ・施工工程等のクラウド管理を継続的に強化し、世代差が生じるリスクの削減と、現場での即時参照による生産性向上を進めます。

2. 戦略を効果的に進めるための体制

経営陣および総務部門を中心としたDX推進体制を主体として、各部署との連携を行いながら全社的な活用を実現できるよう取り組んでまいります。

私たちはDXを「会社全体で改善に取り組むものである」と考えており、各種方策に関しては経営陣・総務部門を中心に主導して進めてまいります。
推進体制を主体として全従業員でこの取り組みを実行することにより、自発的にDXへの取り組みを進め、データ活用や生成AI活用に関するノウハウを全社的に浸透できるようにしていきたいと考えています。
また、継続的な戦略の推進に必要な人材の育成・確保については、推進体制のメンバーを中心に、サイバーセキュリティや生成AIの安全な活用に関する勉強会・社内教育を実施する他、社内でのノウハウの共有・向上等を行っていきます。

3. 環境整備に関する具体的方策

  • Google Workspace・生成AIの利用方法の全社共有
    推進体制が主体となり、活用方法に関する定期発信を実施し、社内でのGoogle Workspaceおよび生成AIの普及を推進する。
  • 社内でのサポート窓口の構築と運用
    推進体制が社内の不明点等のサポートを行い、全社的な理解度アップ・ガイドラインの遵守に努める。
  • 生成AIの安全な活用に向けた社内教育の実施
    情報の取り扱いに関するガイドラインの周知やセキュリティ教育を行い、全社員が安心して生成AIを活用できる環境を整備する。
  • 社内サーベイによる活用状況の把握と評価
    取り組み内容の実施状況・活用効果・改善点などを、推進体制が社内サーベイにて定期的に収集・評価する。
  • 継続的なPDCAサイクルの構築
    収集した意見を経営陣とのMTGにて共有し、次の方針決定に活用する。

紙ベースの帳票・資料類のデジタル化や生成AIの活用を進めることにより、データの一元化・世代ズレの防止に加え、社内や取引先間との情報共有速度の改善につなげることができ、施工以外の業務における生産性向上につながると考えています。

戦略の達成状況にかかる指標


1. これまでの達成状況(実施済)

  • Google Workspaceの利用方法の全社共有
    2024年3月に実施し、社内に定着
  • 社内サーベイによるDX実施達成度全社員平均
    2024年度内サーベイにて、5段階評価中3以上を達成
  • 生成AI(Gemini・NotebookLM等)の業務活用
    書類作成・アイデア出し・画像生成・社内文書の参照等で活用し、対象業務の作業時間を大幅に削減

2. 今後の実施目標

  • 生成AIの安全な活用に向けた社内教育の実施
    2026年度内に、情報の取り扱い・セキュリティに関する社内教育を実施
  • 社内サーベイの継続実施(3.5以上を目標)
    定期的に社内サーベイを実施し、DX実施達成度全社員平均が5段階評価中3.5以上となることを目標とする
  • 社内ナレッジベース・ヘルプセンターの全社展開
    NotebookLMを活用した社内ヘルプセンターおよびGoogleサイトによる社内ナレッジベースを整備し、全社的な運用を目指す

トップメッセージ


私たちの暮らす街には道があり、私たち建設業者はその道を作る仕事をしています。その街に暮らす方々の安心・安全を守るのが私たちの仕事です。建設という分野は今後もなくてはならないものであると考え、日々責任感を持って事業活動を行っています。しかしながら、建設業界はまだまだレガシーな部分が多く、新たな技術の導入スピードが遅くなりがちな面が多くあると考えています。

昨今ではICT施工なども進展し、当社においても施工に対する技術採用等は積極的に行っていますが、書類管理や社内でのデータ活用など、コア業務以外の部分における新技術採用はまだまだ成長途上です。だからこそ、今回のDXの取り組みが、建設業界の新しい価値を創造するためのひとつの可能性だと考えています。

今年で創業97年(2026年現在)。先達がここまで築き上げてくれたことに感謝すると同時に、その責任の重さを改めて感じるところです。
DXへの取り組みを通して、これからの時代にフィットし、より業界全体が発展していくための一助になれるよう、尽力してまいりたいと思います。

代表取締役 小林育也